ポスト工業化社会の到来とIT技術の著しい発展により人々の働き方や生活スタイルが大きく変化している。長引く新型コロナ感染症により通勤から在宅勤務へ、定住から2拠点の生活へ、その変化を後押ししている。そのなかで、新しいビジネスが生まれ、コロナ禍でも大きな成長を見せている。
今回のコラムは2つの実例を紹介し、人口減少時代の不動産投資に新たなビジネスモデル創出にヒントとする。
1.遊休不動産の貸し借りのプラットフォーム
スペースマーケットはマンションやオフィスの空室など遊休不動産の貸し借りを運営しているプラットフォームである。
引用元:スペースマーケット
ホストは空いているスペースをプラットフォームに登録するとそれを利用するゲストがプラットフォームから予約、利用をする。利用後はゲストが料金を支払い、手数料を引いた金額がホストに入金される仕組みとなっている。
2.サブスクリプション方式で地方の「家」に住み放題
都会以外の地方に人口減少を迎えると、空き家問題が顕在化しつつある。近年、テレワークやワーケーションなど新しい働き方を導入する企業が増え、場所にこだわらないライフスタイルが注目されている。ADDressは地方移住したい若い人に「定額制」で各地にある「家」に住めるライフスタイルを提案している。
引用元:ADDress
主なサービスは以下のような内容だ。
1.4万円/月〜で住み放題
水道光熱を含め、月額4万円から住むことが可能。なお、通常の賃貸契約の場合は求められる敷金や礼金なども必要ないため、初期費用は一切かからない。
2.生活や仕事に必要なものが完備されている
寝具やキッチン、洗濯機など生活必需品からWi-Fiなど仕事に必要なものまで完備されているので、すぐに生活や仕事を始めることができる。
また、ADDressには以下の特徴やメリットがある。
1.家守(管理者)が担当についてくれる
各地の「家」に地元の住人が管理者として担当についてくれる。そのため、その地域に関する様々なことが分からずに不便を感じるといったこともない。また、地域における交流の機会などの情報も提供してくれる。
2.交流が広がる
ADDressはシェアハウスのように複数の会員が同時期に滞在することになっているため、様々なライフスタイルを送っている人たちと出会うことができ、交流が広がる。
今回は上記2つの事例を紹介した。これらは不動産投資における新しい視点や市場を生み出すビジネスモデルとなっている。ブルーオーシャンとして今後とも成長を見込めると推測する。